ベンホロウィッツの「What you do is Who you are」が「Who you are」というやや微妙なタイトルながらも邦訳された。
この本では、様々な過去のリーダーの行為を通じて組織文化についてかなり体系的に整理が試みられている。
非常に面白い本だが、脇道的に気付いた点として、本書で紹介されているリーダーの多くが、偉大な改革者であった一方で、多くの矛盾や弱みを抱えている。
ハイチ独立のために戦った ルーベルチュールは組織規律のために「妾を持つな」というルールを自ら打ち立てておきながら自身には婚外子等がいたとか、
ミシガンの刑務所にて、囚人たちに出所後にも生きる規律・文化をもたらしたシャカ・センゴールはそもそも殺人で服役する時点で相当な問題を抱えているし、
実力主義や多様性を尊重することでかつてない規模のモンゴル帝国を築いたチンギスハンも、言っていることとやっていることに大きく矛盾があったと書かれている。
一度目に読んだ時点では、自分はこれをネガティブに受け止めていたのだが、
再読した今回、もしかすると、この矛盾や弱みは、むしろリーダーに重要な要素の一つなのではないかと少し錯綜的な感想を抱くに至った。
非常識、あるいは非倫理的な発想になってしまっている気もするが、一応、書き残してみたい。