2014-11-08

仕事のバトンタッチ

この週末に久しぶりに大野耐一の『トヨタ生産方式』を読んだ。

本書はいつ読んでも、自分に多くのヒントを与えてくれて驚くが、今回はその一つ、バトンタッチという概念について紹介をしたい。

仕事は複数人でやる以上、そりゃあバトンタッチ的な状況は当然にあるだろう。

だが、本書で説かれるバトンタッチはとてもよく練られていて、学ぶ価値がある。

では、そのような、トヨタ式バトンタッチとはどのようなものだろうか。


2014-09-27

カスケードチャート・マリメッコチャート(横幅が可変の棒グラフ)


上表のように、高さのみならず横幅も可変なカスケードチャート。例えば、横軸を売上高に、縦軸を利益率にすれば、四角形の面積が利益額を示すので、セグメント別の収益構造の可視化などが可能になる。

また、少し工夫すれば、積みあげのマリメッコチャートも同様に作成が可能となる。



説明には時間がかかるので、作り方のコツと、マクロの概要だけ説明する。


2014-09-19

クイックアクセスツールバーのおすすめ

最近改めてExcelの作業環境改善を図っていて、色々なところのチューンアップを行っている。クイックアクセスツールバー、リボン、右クリックメニュー、VBAあたり。

その中でも改めて痛感するのは、クイックアクセスツールバーの使い勝手の良さ。
・マクロ/VBAと違って、Undoできる
・ショートカットはAlt+数字と簡単(ただし最初の9個だけで、10個目以降は数字2ケタになるが・・・)

であるにもかかわらず、あまり使いこなせていなかったのだが、この機会にクイックアクセスツールバーのメンテナンスを行ってみた。

クイックアクセスツールバー以外でもできることは削除

初期状態ではクイックアクセスツールバーには色々と「わざわざここになくてもいい」というボタンがついている。よく使う機能を上位1ケタに持ってくるためには、別の手段でできる機能をクイックアクセスツールバーから削除しておくことが得策だと思われる。


  • シート新規作成 → Ctrl+Nの方が速い
  • 上書き保存 → Ctrl+Sの方が速い
  • 名前を付けて保存 → F12の方が速い
  • 印刷 → Ctrl+Pの方が速い

クイックアクセスツールバーと相性の良い操作

クイックアクセスツールバーと相性が良いのは以下のような操作。
  • ショートカットがない、あるいはややこしい
  • 利用頻度が多い
  • ショートカット(キーボード操作)でも使うし、マウス操作でも使う操作
そういった観点から、クイックアクセスツールバーに入れることがおすすめされる操作は以下のようなもの。
  • 印刷プレビュー
  • ページ設定
  • クイック印刷
    ※ただし、間違って押してしまって印刷が始まってしまうのも嫌なので、リストの最後尾に置くことで、ショートカット操作ミスで間違って印刷されてしまうことは防ぎたい
  • Undo/Redo
    ※ただしこれはキーボードよりもマウス操作する方が多いので、リストの中でも後ろに回すことで、上位1ケタには他の操作をあてがいたい
  • マクロ実行
    ※マクロ記録は、めったにしないので必要度は低いかも?
  • VBA起動
    ※Alt+F11でも起動するが、押し間違えるとF11(グラフ作成)になってしまい厄介。
  • 列/行の挿入
    ※列/行の削除は往々にしてファイルを壊してしまうので、あえてショートカットを作らない
  • シート名の変更
    ※Alt→O→H→Rでもできるので、頭に入っている人はクイックアクセスツールバーへの設定は不要と思う
  • 参照先/参照元への矢印表示、矢印の削除
    ※Alt→M→P/D(削除はAlt→M→A→A)でもできるので、頭に入っている人はクイックアクセスツールバーへの設定は不要と思う
  • 形式を選択して貼り付け(値だけ貼り付け、書式だけ貼り付け、罫線以外全部貼り付け等)
    ※これもAlt→E→S→●でできるが、いちいち貼り付けるたびにキーボードを3,4回もタタンと打つのはややToo muchな気がすることから、ショートカットを割り当てたい印象

Further Reading:

外資系エクセル本・・・この水準のスキルが求められる人に有益な知識が豊富。

2014-09-13

ボールペン

ここ1年くらい気に入って使っているのが、三菱のジェットストリームというボールペン。

会社の備品のボールペンの書き味がとにかく悪く、仕事の生産性に悪影響があるなぁなどと大げさに考えた挙句、しばしの試行錯誤を経てようやくこいつにたどり着いた。決め手や類似品との比較は以下のような感じ。

単色vs多色


  • メモに好んで使うのは青なので、青単色のボールペンがあれば足りるといえば足りる。また、多色ボールペンはどうしてもペンに若干の角度がついてしまい、書いていてぐらぐら感が出る。
  • 他方、赤(書類にアンダーラインを入れたり、コメントを入れたりに使う)や黒(ちゃんとした文書の記載はやはり黒)などもそれなりに出番がある。
  • そういったメリデメを考慮した結果、多少のぐらぐら感は我慢することにして3 in 1のボールペンを選んだ。
  • なお、シャープペンシルは滅多に使わないので、シャープペンシル入りのものは選考漏れ(社会人になってしばらくして、「学生ならともかく、大人になったら、消しゴムで消す時間が無駄かも?と思って以来シャープペンシルの必要がなくなった)

太さ


  • 細かい字を書くにはやはり0.3mmや0.5mmが便利。
  • 他方、日常のメモ取り等では、ある程度太い0.7mmくらいでサッサッと書く方が書きやすい。
  • この辺は多分に感覚論だが、自分はしばらくの間0.5mmと0.7mmを併用した末に0.7mmにした。

その他ジェットストリームのメリデメ

  • 国産品なので、国内勤務の間は流動性に困らない(=替芯や、同じモデルの買い替えに困ることがない)。
  • 3色/0.7mmモデルでは数色のボディカラーがあったが、LAMYっぽい色合いのイエローを愛用している。
  • とにかく書き味が素晴らしい。水性のような滑らかな書き味であるにもかかわらず油性らしくあっという間に乾くので、乾く前に手で引きずってしまい手やノートが汚れるということは皆無。

対抗馬

  • フリクション
    • 書き心地は嫌いではないがジェットストリームには及ばない。
    • あと、何より、自分は「消せる」という性質に対して全く嬉しさを感じないので、消せることが売りであるフリクションを選ぶのは、トラックポイントを使う気がないのにThinkpadを選ぶのと同様の感覚があり、選から漏れた。
  • Bic
    • 正直、一番悩んだのはこいつ。あのシンプルなボールペンは、国を選ばないユニバーサルなデザインで、飽きのこないシンプルさがある。
    • しかも安い。今ネットで調べたら、単色で一本80円だって(!)
    • あくまで自分個人にとってのネックだったのは、ジェットストリームとの比較感での書き味。全体通じてだが、ジェットストリームの書き味の素晴らしさの前では、多少のデザインも引っ込んでしまう。
  • LAMY
    • デザイン性は大好き。あのカラーリングからクリップまで大好き。ジェットストリームも色々木目超のモデル等出してはいるがいずれも悪い意味で日本的な感じで未だに愛着は持てていない。人に見せびらかす観点ではLAMYが一押し。
    • しかし、外のハードについては、ラバーグリップがなくプラスチック一本勝負ゆえ、脂手(?)な自分は使っていてしっくりこない。
    • あと、中のペンのクオリティがイマイチ。会社備品ペンの書き味の悪さが出発点なので、ペンの書き味の悪さには妥協できない。
    • ちょっと高い。なんだかんだいっても所詮はボールペン、一本に数千円というのはキビシイ。
  • モンブラン
    • いや、正直、「いつかはクラウン」的な憧れはないわけではないし、いつかは一本くらい欲しいとは思っている
    • しかし、日常使いの観点ではペーペーの自分には明らかにToo muchだし、紛失リスクを考えると夜もおちおち眠れなくなってしまう
    • あとは、ラバーグリップがないのは脂手の自分には(以下略)

こいつに出会うまではクルトガが世界最高の筆記具だと思っていたが、上には上がいるものだなぁと思ってジェットストリームを愛用している。



2014-09-12

Strategic ThinkingとPragmatism

最近の自分


最近、「年度末に向けたチームの目標再設定」とか、「ここ数年の間の制度設計」とか、「投資先のExitに向けた展望見直し」とか、中長期的な企画をする機会に多く恵まれている。目の前の案件処理に忙殺されていた時期と比較すると、日々のワークロード的には余裕があるが、遥か遠くに見えるゴールの壁は高くぼやけているので、これはこれでプレッシャーも強い。


そのような中でついつい上やら横やらに対して口にしてしまうのが、

「上が戦略(方針/計画/方向性/etc)を固めてくれないと、それにsubsequentな当座の戦術など企画立案のしようがない!」

という反論。攻めるべきターゲットを定めずしてマーケティング戦略は固めようがないし、組織の方向性がわからないなかでは当座のTo Doも固めきれないし・・・といった感じで、担当者として現場の実務設計を頼まれるたびに「まずは方向性を決めてください」と上に反論している感じになってしまっている。


カウンターパンチ

特に自分はアメリカでMBAとかかじってきたからか、殆ど当然の発想として「戦略なき戦術などありえず、戦術だけ考えるのは害悪」という信念のようなものを持っていた(今でも持っているけど)。

なので、戦略を固めないなかで個別具体的な戦術論を始めようとする発想のことを当初は理解できず、単に戦略的視座が欠落しているということかと理解していた。

そんな中、ある人との会話で聞いた話が心に小骨のごとく残っている。

・戦略の対象になるのは、ふつう数年後といったかなり先のことであり、そんな先のことは誰にもわからない。
・そのような不確実な状況で、変に「固め打ち」して一つの方向に向かおうとしても、得てして無理があるし、現場が納得してついてくるはずがない
・なので、将来のことを変に決め過ぎず、フレキシビリティを保っておきたい
・特に現状がそこそこ満足行く状況である場合は、変にいじって方向性を変えるのは危険

消化に一苦労

状況を非常に大雑把に言えば、まず戦略ありきと頭でっかちに主張していた自分を諌める目的(と思われる)で上記のようなコメントを聞いた。そういう文脈からか、自分はこの言葉をかなり真剣に聞いた。で今なお、その咀嚼に四苦八苦しているところ。とりあえずの現状は、「半分賛成、半分反対、というか同じことをそれぞれ逆方向から言っているというかなぁ」という感想を持っている。思っている具体的なことを以下に羅列すると:

(1)戦略依存症への自戒:

プレーヤーとしての自分への自戒。

中堅ビジネスパーソンたる自分としては、戦略依存症になってしまうのは非常に危険であり、その点についての自戒は必要。

「組織が戦略に従う」という命題の是非はさておき、戦略と言う名のお膳立て/外堀が固まるまで動けない人になってしまうのはCareer developmentの観点で望ましくない。

何かを進めるときに、ふんぞり返って「まずは方向性決めてもらわないと」と威張り散らすのは簡単だが、「戦略決めてもらえないと動けない人」にはならないよう、常に自戒しておく必要がある。

(2)「戦略の全体像が決まらないと一歩も動けない」ことはない:

これも「プレーヤーとしての自分」に対する自戒。

たとえば、チームの今年度の営業戦略を決めるにあたり、全社の中期経営計画が完全にfixしている必要があるだろうか。今年度の営業戦略を考えるだけなのに、「どういう人材を何年度までに何人雇う」とか「売上高人件費比率を●%にする」といった大掛かりな目標設定が必要だろうか。

一般論として戦略策定(目標設定etc)は重要だが、ものには程度があるという当たり前の事実を意外と忘れてしまいがちなので注意が必要ではないかと感じている。動くのに必要十分な目標設定が済んだなら、それ以上は求めず、すぐさま動き始めるべき

チームの今年度の営業戦略を考えるだけなら、決めるべきは「攻めるべきターゲット」とか「リソース配分」とか、チーム運営にかかわるいくつかの意思決定だけで足りる。それを、部門全体の戦略とか、全体の人事戦略とか「ぼくの考える全体像」がすっきりするまで「まずは戦略を」とピーチクパーチクやっていては永遠に動き出せない。今後何かの局面で「まずは方向性を決めてほしいなぁ」と思ったときは、「まだ100%方向性が固まっていないにしても、俺の仕事を始めるにはもう十分に方向性は固まってはいないだろうか?」という自問自答を繰り返したい。

(3)100決められなくても、10は決めよう

今度は逆に、マネジメント候補(笑)としての自分への教訓で、(2)の裏返し。

確かに経営とは不確実性との戦いなのだろうし、不確実性が存在する中で必要以上に進む道を固めすぎることの弊害も理解できる。

しかし、不確実性があるからといって何にも決めないというのも、これまたまずい。完全に固めきらないにしても、組織を運営する以上、100決めないにしても、1なり10なりは何かしら意思決定して、その結果をPDCAサイクルに乗せて検証・見直ししていくというのがオーソドックスな進め方と思う。

※今自分が直面している仕事の関係者において、そういう無責任な人は幸運にして存在しない。ここで述べているのは現状への不満ではなく、将来の自分への注意喚起。

(4)決めないことも、ひとつの意思決定

これも将来の自分への注意喚起。

最近リアルオプションなんて言葉が人口に膾炙していて(しかもきわめて非定量的に、ご都合主義で普及している・・・)、意思決定の棚上げのことを「リアルオプション」などとドヤ顔で呼ぶ風潮が見られる。

しかし、実際のところは、将来に不確実性があるからといって意思決定を留保することは、多くの場合において、「現状の路線でそのままいく」ことを消極的に決めていることに他ならず、リアルオプション的発想とは異なる。

リアルオプション的発想とは、複数の「現状を変える」という選択肢と「現状維持」というN+1個の選択肢の中から、将来事後的に意思決定できるオプション価値まで考慮に入れて、その場合の損得勘定において現状維持を選ぶという発想である。この発想に従えば、仮に今判断を留保するとしても、事後的な意思決定をするタイミングやその場合にどういった意思決定をするか等はある程度指針は定めておく(そうでないとオプションバリューがわからない)と言うことかと思う。少なくとも自分の解釈によれば、「不確実だから」という理由でそもそも選択肢のリストアップや比較検討すらしないということは、リアルオプション的な積極的現状維持ではなく、リアルオプションの皮をかぶった意思決定怠慢行為であるように思われる。

自分が偉くなったときにも、「不確実だから、あえて当面は判断を留保する」のはいいが、できるだけ「不確実だから思考停止」しないように気を付けたい。

※今自分が直面している仕事の関係者において・・・(同上)

結論(昔の自分・将来の自分への質問形式で・・・)


「この会社には方向性が見えない」と愚痴っている若手のあなた。方向性が100%は固まっていないかもしれないけど、現状程度でもあなたのアサインメントは十分動き出せるということはありませんか?自分の仕事してますか?

偉くなったら色々な不確実性に直面しているあなた。ついつい判断を留保して、現状容認的になっていませんか?下がもってきた案件に「いいね」とか「よくない」とか言っているだけになっていませんか?あなたが部下よりたくさんの報酬もらっている理由は何か覚えていますか?

Further Reading:

ルメルト戦略本・・・冗長だが、戦略とは何か考えるにあたり有益。
意思決定理論入門・・・困ったときに立ち返れるベースとなる一冊。

2014-02-16

コーヒー

2014年に入ってからの趣味(?)として、コーヒーを自分で入れるようになった。

もともとは家ではあまりコーヒーは飲まず、たまにインスタントを飲んだり、妻の入れた紅茶をかすめとったりだった。でも、なんとなく家でもコーヒーが飲みたくなり、また2014年になり何か新しいことを始めたいなぁという思いもあり、ちょっと始めてみた。

とりあえずはAmazonとかKALDIとかで色々道具を調達:
<ペーパードリップ用>
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・豆
<フレンチプレス用>
・フレンチプレス

色々見聞きした情報によると、フレンチプレスの方が美味しいということであったので、ペーパードリップの道具以外にもフレンチプレス器(?)もお買い上げ。


しばらくはもっぱらフレンチプレスでやっていたが、①ペーパードリップと比べてもそこまで劇的に変わらない②掃除がタイヘンなので結局のところ最近はもっぱらペーパードリップになってしまっている。

最近の悩みは、
①わざわざ(インスタントとの比較においては)ちゃんと作っているのに、出来上がったコーヒーが普通で、そこまで感動するほどおいしいとは言い難いこと
②ここから、何をどういじると、どのように味が変わるのか、知識がまるでないこと
③家でコーヒーを飲むのが自分だけなので、豆がなくならず、どんどん鮮度が落ちてくること

たとえば豆を違うものにすればいいのかな?もう少し小さいロットで売ってくれる店はないのかな?あるいは豆で買って、都度挽くようにしないといけないのかな?ドリッパーを変えたり、お湯の入れ方をいじれば変わるのかな?その辺、仕事と違って「ここをこうすれば、どうなる」みたいなinput-output関係が全然わからず、なかなか悩ましい。なんとなくお湯沸かしたりは楽しいけど、長く楽しむためには、修得のプロセスがある程度見えていないとしんどいところなので、なんとかしたいなぁということを思っている。

道は遠い。。