2018-10-21

通勤カバンの生地

先日、Timbuk2のメッセンジャーを新調した記事を書いたが、その際にあれこれとカバンの生地について勉強したので、備忘まで記録しておきたい。


ハードナイロン

バリスティックナイロンとか、コーデュラナイロンとか言われる。デニール値(繊維の太さ)が1000Dを超えており、非常に強度が強い。そのため、

①汚れに強い (たとえば、飲み屋の床に無造作に置いても、汚れない、あるいは汚れを落とせる)
②その辺にひっかかっても、ひっかき傷ができない
③メンテナンスしなくてもそんなに困らない
④折れ曲がりのクセがつきづらい

といったメリットがある。

仕事用のブリーフケースであればTUMIやBRIEFINGが有名だし、多くのメッセンジャーバッグもバリスティックナイロンを用いている。

他方で、生地自体は繊維の太さから、武骨になってしまう。BRIEFINGなんかは武骨性を隠しすらしていないし、TUMIだと細かなデザイン(柄をレザーにする等)により工夫してフォーマル感を出している。

また、TUMIがそうだが、バリスティックナイロン自体は強いものの、取っ手等のレザー部分が先行的に劣化してしまい「ごく一部の劣化のために買い替えしたくなる」ということがありうる。

また、ソフトナイロンと比べると相対的に重量は重たくなる。

ソフトナイロン

ハードではないナイロンで、ひと昔前の安っぽいナイロンから、リモンタナイロンのように高級感のある生地まで幅がある。ここではリモンタナイロンのような「高級感のあるソフトナイロン」に絞って議論する。

フォーマルバッグであれば、プラダ、フェリージあたりが有名どころだろうか。カジュアル系だと、North Face Purple Lableのバッグなんかもリモンタ製のナイロンを使っている。

メリットは
①軽い・・・レザー対比ではもとより、ハードナイロンよりも軽いので、持ち運びのストレスが低い
②購入当初は高級感が高い・・・リモンタナイロンは光沢感が強く、レザーとは別の高級感がある
といったあたり。

他方で、結構デメリットも多く注意が必要で

①傷や汚れに弱い
②エイジングというか、単にヨレヨレ・くすみになりがち
③折れ曲がりのクセが付きやすい
④取っ手部分までナイロンにすると安っぽくなるので、ここだけレザーになることが多いが、そうすると結局重い
あたりは注意が必要だろう。

ハードナイロンとの比較を端的にまとめると「買った瞬間はいいが、当初数年でヨレヨレになりがち」といったところだろうか。TUMIは10年使おうと思えば使えるが、フェリージは正味2,3年もすると、買い替えせずにはいられなくなるように思っている。

ポリエステル

ポリエステルも様々なものがあるのであまり一口には表現できない。自分が新しいTimbuk2で使ったのもポリエステルだが、これはもう素材云々というよりは、店頭で触ってみることでその質感で決めた。

いくつか、最大公約数的なポイントを述べておくと

・ハードナイロンよりは、軽く、武骨感は低い
・ただし、汚れや傷には比較的弱そう

といったあたりだろうか。少なくとも地べたに置いてもいいとはあまり感じられない。

レザー

昔はほとんどが、今でもかなりの割合で、バッグの生地はレザーが使われている。
もしユーザーが十分に余裕がある人で、メンテナンスする余裕があるようであればうまく使うことができるだろう。

留意点は
・メンテがおろそかだと、劣化する
・雨に弱い
・重い

といったあたり。すなわち、実用性はかなり低い。

また、上の方でも書いたが、多くのフォーマルバッグが、メイン生地とは別途取っ手部分だけレザーを使っていることが多く、メンテナンスをしないと、手の汗がにじむことで取っ手だけ剥げてしまうことが多い。これには注意が必要だろう。