本稿のスコープ:実用書
まず区別すべきは、選ぶ本が実用書か文学か。
実用書であれば、必要な個所を必要に応じて読むという目的から逆算した使い方が大事になる。他方で、文学であれば、読書それ自体が目的となり、変に飛ばし読みはせず、最初から最後まで味わうように読むことになる。
文学書については、飛ばし読みをしないこと・何度も読み返すことから、Kindleで買うことが多い。
実用書については、色々とポイントがあるので、以下に述べてみたい。
実用書の選び方
以下は文学書はいったん除外して、もっぱら実用書に絞って書く。立ち読みの重要性
経験上、タイトルや分野だけ見てAmazonで買ってしまうと、ほぼ確実に痛い目にあう。やっぱり本屋に行って、実際に立ち読みしてみて、「わざわざ買うべきか?」を落ち着いてスクリーニングするのが良い。あるいは、下記で述べる通り、多くの本は立ち読みで十分用事が済んでしまう。
立ち読みで「スクリーニング」すべきは、以下のようなポイント:
- 1章を読めば大筋はわかってしまう本→立ち読みで足りる・・・米国人が書く本の多くはこのスタイル。冒頭の章で主要なコンセプトをドーンと紹介し、第2章以降はその細目や、結論に至るロジック等を述べていくパターンが多い。
この手の本は、その分野について研究する(=結論のみならず、そこに至るロジックも学ぶ必要がある)時以外は1章だけ読めば足りてしまい、その場合、5分~10分も立ち読みすれば足りてしまう。
- 目次が構造的でない本は▲・・・このような本は、目次を見ても文章の流れがつかみとれず、「この本を読むと、何をどう学べるのか」がわかりづらいので敬遠が妥当。
- 逆に、目次だけ読めばわかってしまう本も→立ち読みで足りる・・・これも「1章を読めばわかる本」同様。目次+第1章だけで多くの実用書は用事が済んでしまう。
- その本の隣近所の書籍との比較・・・Amazonでも類似の書籍は出てくるが、本屋に行くと普通はお目当ての本の隣にはその類書が陳列されているはず。お目当ての本だけではなく、その隣近所の書籍も読み比べると、お目当ての本が「アリ」なのか、よりわかるようになる。
一度に買うのは一冊
本を買うのは、本来的には「何かを学ぶため」ではあるのだが、悲しい哉、少なくとも自分は「買うという行為を通じた欲求解消」にもメリットを感じてしまう。要は、買うこと自体がスッキリするのだ。
そのせいか、一度に2冊以上の本を買っても、1回分のスッキリ感を得るだけでありスッキリ感は2倍にはならない。他方で、買ったことそれ自体に満足してしまい、2冊目が積読になってしまう可能性が高くなってしまう。
CDもそうだったけど、目や耳は1セットしかないので、買うのは1冊でいいということなのだと思う。
日本人著者の本はよほどのことがないと買わない
要は、数ある本のなかにあって、日本人が書いた本は思い切って対象外として、各カテゴリーに数冊しか残らない外国人著作の本に絞って選ぶというアプローチ。
こういうことを書くと、なんだかノルウェイの森の主人公の先輩みたいな感じになってしまうが、この原則をもっておくだけで「ハズレをつかむリスク」は大幅に減らせる。
理由はいくつかあって
①外国人が書いた本がわざわざ日本に来ているということは、日本人が書いた本と比べても厳しいセレクションをくぐりぬけている可能性が高い
②日本人が書く本は、比較的「経験則に基づく、汎用性のない非論理的個別事象の集合」が多く、面白いかもしれないが参考にならないことが多い
といったあたり。
それでもハズレだったら、さっさとメルカリで売る
それでもやっぱり、買ってから「ああ、この本はハズレだな」と思うことばっかりである。買った本を「また読もう」と思うことはなかなか減っている。
そういうときは、昔だったらある程度まとまったところでブックオフで下取りに出していたのだが、最近はもっぱらメルカリで売っている。そこまで考慮に入れれば、購入のハードルが少し下がり、「お試し」の余地が出てくる。
ついでに言えば、メルカリで本を売るにしても、日本人著者の本はたいてい複数冊出品されているので、売りづらい(安くしないと売れない)。他方で、外国人著者の本は、比較的メルカリでの出品数も少ないので、売りやすいという点も留意したい。