というのも、
- 自分もすでに30代、結構な数の同期・後輩・友人等が転職を経験している(自社・自社以外含めて「半分くらい」という感覚)
- MBA留学していたので、当然ながらその関連の知人友人はほぼ90%は転職している
- 自分自身も当然ながら、キャリアの折々でいいときと悪いときがあって、悪いときには「えーい、転職か!?」とか考えることもある
等(ちなみに自分は転職していない側)。
転職は完全に個人的なものであり、成功も失敗もない話だと思う。年収の増減だけでは測定できないし、転職の瞬間だけを短期的に見てもやっぱりわからない。
そのような中で、あえて大胆に、ひとつの角度から、転職する・しないに関する論点について考察してみたい。
閉塞感
仕事をしていると、どうしても閉塞感を感じることがある。
- 自分のやっている仕事の先行きが暗いのではないか
- このままでは思うようなスキルがつかないのではないか
- いつになっても収入が上がらない
等。
おそらくこのような「閉塞感」と「同僚との人間関係」は、退職理由ランキングの上位なのではないかと思う。
また、最近の雰囲気として、人口減少とかデフレとかその他もろもろの「マクロ経済の低迷」というマクロ要因となぞらえて、
「どの部署にいっても将来性が感じられない」
という閉塞感を持っている人が少なくない感覚がある。日本オワタ、みたいな。
「どの部署にいっても将来性が感じられない」
という閉塞感を持っている人が少なくない感覚がある。日本オワタ、みたいな。
閉塞感は会社のせい?
こういった閉塞感は人のモチベーションを損なうには十分もっともな問題だろう。
また、その解決のため、何らかの変化を求めるという考え方も、これまたもっともな発想ではないかと思う。
たとえば、最近だと、そのような観点で大企業からスタートアップに移る人も少なくない印象。
他方で、こんなことを思ったりする:
- 「アツい」仕事はどこにでもある・・・
大企業にいても、新規プロジェクトとか、不採算案件の構造改革とか、「アツい」仕事はそれなりにある。
同じ会社でも、上手くいっている人は楽しそうにしており、上手くいっていない人は会社に恨みすらもっていたりする。
「アツい」「アツくない」と「大企業」「スタートアップ」は必ずしも1:1対応していないように思われる。 - スタートアップにも、つまらない仕事はある・・・
スタートアップでも、5年もすると当初のコアビジネスは成熟化してしまう。
経営者とかは新事業にシフトして引き続き楽しんでいることも多い。
しかし、一担当者レベルだと、成熟化したビジネスからのキャッシュの刈り取りが仕事になりがちで、「スタートアップなのに閉塞感が」みたいなことになることも。 - 同じ仕事でも、人によって楽しめる人とそうでない人がいる・・・
同じ新人の雑務仕事でも、単純作業と考えて不承不承やる人がいる一方で、「やるからにはXXX」等考えて日々楽しみながら改善・成長する人がいる
思うに、閉塞感も、その対義語である「アツい」状態も、会社という軸だけでは語りきれない。
もう少し小さな、部署とかチームとか、さらにいえば個人レベルの問題に本当に論点があることも多いようにも思う。
少なくとも「アツいスタートアップに入れば解決する」という類の問題ではないように思う。
もう少し小さな、部署とかチームとか、さらにいえば個人レベルの問題に本当に論点があることも多いようにも思う。
少なくとも「アツいスタートアップに入れば解決する」という類の問題ではないように思う。
また、どんな会社・部署でも、長期にわたりフルスイングで「アツい」状態が続くことは珍しい。
充足感を長期にわたり得続けるためには、会社や部署といった「場所」だとどうしてもサステナブルではない。
なので、別の方法で短期借入の借り換えのごとくロールオーバーする発想が不可避になるように思われる。
充足感を長期にわたり得続けるためには、会社や部署といった「場所」だとどうしてもサステナブルではない。
なので、別の方法で短期借入の借り換えのごとくロールオーバーする発想が不可避になるように思われる。
ではどうしましょうか
雑にまとめると、
会社の大小や部署といったものは、閉塞感打破のSilver Bulletにはならないのではないか
(長期的には絶対に・短期的にもかなりの割合で)
ということかなと思う。
もちろん外部環境は閉塞感打破のひとつの良いきっかけ・後押しにはなる。
しかし、閉塞感から逃げ、充実した仕事をするためには、結局は「その場を自分で楽しくしてやる」という気概は避けて通れないように思う。
しかし、閉塞感から逃げ、充実した仕事をするためには、結局は「その場を自分で楽しくしてやる」という気概は避けて通れないように思う。
で、結局は自分の気持ち次第という話なのであれば、大企業には大企業の楽しさがあるはずだし、スタートアップにはスタートアップの楽しさがあるという価値中立的な話に落ち着いてしまうのではないかと思う。
今の居場所に相性の悪さを感じる等のネガティブな要因があるのであれば早めに離脱するのが良いだろう。
しかし、「ここではないどこかには、閉塞感のないアツい場所があるのではないか」という発想をもってしまうと、青い鳥探しに翻弄され人生結構しんどくなるのではないかなんて思っている。
しかし、「ここではないどこかには、閉塞感のないアツい場所があるのではないか」という発想をもってしまうと、青い鳥探しに翻弄され人生結構しんどくなるのではないかなんて思っている。