2016-12-29

記述的議論vs規範的議論

仕事で人と話していると、けっこう無邪気に「君はXXXすべきだ」と、こちらの土俵にズケズケと踏み込んでくる人はいないだろうか。

何の権限もないくせに、平気でこちらが決められる事項に「すべきだ」口調でものを言われてしまうと、どうしてもイラっとしてしまうことはないだろうか。

このような「~べき」という言い方を規範的議論というのだが、以下では


  • 規範的議論とは何か。その対にある記述的議論とはどの様なものか。
  • 両者の使い分けの仕方はどのようにすればいいか。

について、自分なりに整理してみたい。

全般に、参考文献は愛読のギルボア「意思決定理論入門」(リンク)「合理的選択」(リンク)

この本はおよそ意思決定の実務に携わる人全てが読む価値のある本だと思う。

2016-12-19

意思決定のフレームワーク (3) 合理性をはみ出た世界

前回の続き(3回目)。

前回までに、意思決定にまつわる議論を「客観性の壁」「合理性の壁」という2つの線引きにより分類し、以下3つに世界を分割した。
  • リスク下の世界
  • 不確実性下の世界
  • 合理性の範疇外の世界
その上で、第1回でリスク下の世界について、第2回で不確実性下の世界について述べた。今回は、残る3つ目の、合理性の範疇外の世界について考察してみる。

2016-12-18

意思決定のフレームワーク (2) 不確実性

前回の続き。

前回は、意思決定にまつわる議論を「客観性の壁」「合理性の壁」という2つの線引きにより分類し、以下3つに世界を分割した。
  • リスク下の世界
  • 不確実性下の世界
  • 合理性の範疇外の世界
その上で、そのうちリスク下の世界について述べた。今回は、2つ目の不確実性下の世界について考察してみる。


2016-12-17

意思決定のフレームワーク (1) ・・・リスク

意思決定について、以下数回に分けて、意思決定に関し、以下のような論点について考察してみたい。

  • リスクと不確実性って何が違うの?
  • リスクへの対処方法にセオリーはあるのか?不確実性については?
  • 実際の意思決定ってそこまで理詰めではないと思うが、理屈を超えた世界はどう説明するのか?


なお、参考書籍は以下の通り。

(1)ギルボア「意思決定理論入門(Link)
(2)ギルボア「不確実性下の意思決定理論(Link)
(3)カーネマン「ファスト&スロー(Link)


本稿は3部構成で、本ポストはパート1.
本稿のパート2 → リンク
本稿のパート3→リンク



2016-12-10

課題発見力と課題設定力は別物( 視点のピボット)

まもなく退任するオバマなんかを見ててよく感じるのは、視点をずらして、少し違う観点からものごとを捉えなおすことが非常に上手だなぁということ。

難しい問題を

・より広い視座から捉えなおすことで、対立構造を緩和する

・少し視座をずらすことで、理解を容易にする

等。

リーダーに求められるスキルは、よく課題発見力・課題設定力・課題解決力という感じに分類されることが多いが、オバマは課題の発見・設定には天才的に優れていたように感じる(解決力はよくわからないが)。

ここまで「視点をずらす」ということについて書いてきたが、それでは「視点をずらす」とはどのような意味だろうか。

本稿では、ピボット力あるいはリフレーミング力について考察してみたい。

2016-12-03

建設的な対話のために:『話す技術、聞く技術』

最近手に取った「話す技術 聞く技術」という本(→リンク)。

交渉に関する古典である「Getting to Yes」(邦題が「ハーバード流交渉術」(→リンク)とダサいのがイマイチ)の続編。

Getting to Yesが「どうやって実りある交渉をするか」という平時の交渉を扱った本であるのに対し、本書は「会話がうまくいかないとき、どのように立て直すか」という有事の対応を扱った書籍。

得てして、交渉時には、心情的な対立が生じて「そもそも交渉にならない」という対立的状況に陥りがち。

それゆえ、平時のノウハウであるGetting to Yesだけでは足らず、対立時のノウハウである本書をセットで読むことが有用。

非常に面白かったので、その内容を自分なりに咀嚼してみたい。