2018-08-27

何の話をしているのか、明確に!(状況モデルの構築)

前回のポストに引き続き、「教養としての認知科学」を読んで得た気付きについて。

会話していて、
  • 説明していても、相手に自分の説明を理解してもらうのに苦労する
  • 外国人との会話で、単語や文法はある程度身についているはずなのに、それでもうまく理解できない  
といった悩みを感じることはないだろうか。

これは認知科学における「理解」の仕方に関する問題であり、そのあたりについて書き散らしてみたい。


2018-08-26

一夜漬けはむしろ成績を下げる(短期記憶と長期記憶)


試験前の一夜漬け。人によってはよく経験しているかもしれない。

一般的には一夜漬けのデメリットとして指摘されるのは「徹夜するから疲労で集中力が低下する」という点だと思う。

だが、先日手に取ってパラパラと読んでみた教養としての認知科学というテキストを読んで、一夜漬けの本当の(あるいは、もう一つの)デメリットを理解するに至ったので、

「一夜漬けのデメリットはなにか?」と言う点について、「短期記憶と長期記憶」という観点で、少し備忘に残しておきたい。


2018-08-12

覚悟に逃げない

先日手に取った「決断という技術」という本がなかなか面白く、ニヤニヤしながら読んでしまった。

海外経験のある3人(柳川氏、水野氏、為末氏)が「ここがヘンだよ日本人」的に日本的な意思決定のクセを一刀両断にしていく本だ。

学術本ではないので読みやすい。たとえば、日本人は

・覚悟しすぎ
・割り切りを嫌がりすぎ
・捨てられない
・比較考量できない

等々。

個人的には色々突っ込みたいところもあるが(やや批判が浅く、実戦で使うためには、もう少し読者は自分の頭で考え抜く必要があると思う)、まあでも、非常に良い本と思った。



ところで、覚悟って一般的には良い意味で使われているが、何がどうダメか、スパっと言えるだろうか?

本稿では、覚悟の何がダメで、何はいいのかについて、少し考えてみたい。

2018-08-05

合理性再考(3)・・・「合理的」再考

「いや、あなたの言う合理的って、そんなに合理的でもないですよ」シリーズの第3弾。

第1弾の「実務的」では
  • 実務的世界では、多かれ少なかれ情報を絞ることが許容されるので、どだい、限定合理的になる。
  • 従って、実務において「俺は合理的だ」とか「あいつは合理的でない」というのは、そもそものところで合理的でないのではないか
ということを述べた。

第2弾の「感情的」では
  • 相手が感情的にふるまったときに、「非合理的だ」の言い換えとして「あいつは感情的だ」と非難する人が多い
  • しかし、合理的戦略として感情的にふるまう人も多いし、突発的激情的な感情ですら実は合理的であることがあるので、「感情的」と「非合理的」は分けて考えるべきではないか
と述べた。

今回は、しめくくりとして、合理性それ自体について、少し考察してみたい。

2018-08-04

合理性再考(2)・・・「感情的」再考


「いや、あなたの言う合理的って、そんなに合理的でもないですよ」シリーズの第二弾。

今回は、相手との会話がうまくいかなかったときに「俺は論理的に話そうと試みたのに、あいつは感情的だったので会話にならなかった」というときの「感情的」について。


2018-08-03

合理性再考(1)・・・「実務的」再考

仕事の現場で「合理的」と言う言葉をよく聞く。

しかし、たいていの場合、「合理的って言うけど、それってホントに合理的なの?」という疑問を抱く。

そこで、本稿から3回に分けて「合理的って何?」という点について書き散らしてみたい。

1回目ではまず、「合理的」の関連ワードたる「実務的」という言葉の意味合いや使い方について。