2013-02-02

基礎に立ち返る勇気

振り返ってみると、自分が「何かをうまく学べた」と感じたのは、浪人時の予備校時代が一番であり、その次がMBA留学中であった。

なぜそんなにうまく吸収できたのだろうか、なぜつまづきが少なかったのだろうかとなんとなしに考えてみたのだが、思うに、「恥を捨てて、基本的なところからきちんと勉強し直したから」というのが大きい気がする。



大学学部時代とかは、ついつい最初から難しい教科書に手を出して、消化不良のまま卒業してしまった感覚。社会人なりたての頃も、基礎知識ゼロにもかかわらず小難しい専門知識をアドホックに身に着けていたので、今思うと非常にバランスの悪い状態であった。

仕事でも色々おぼえて、しかも証券アナリストまでとったにもかかわらずMBAの最初の学期で受講した会計や初級ファイナンス。最初は「なんだかなぁ、こんな簡単なもの学びにきたわけじゃないんだけどなぁ」とか斜に構えていたし、多かれ少なかれ、卒業するまでその斜に構えた状態は続いていたと思う。しかし、後になって振り返ってみると、あそこで愚直にDCFのモデリングとか退職給付会計とかを学び直したことが、自分の「基礎体力」のようなものにかなり寄与していることを感じている。

自分の虚栄心や慢心をなんとかコントロールして、あえて基礎的なところから丁寧に勉強すること。そうすると、基礎から丁寧に知識がビルドアップされていくので、理解できない部分が減り、自信がつき、順回転モードに入れたように思う。そうなると、積読のままほったらかしていた難しい専門書も読もうという意欲が湧いてきて、それを読むことでさらに視野が広がったり深まったりして、、という感じ。

これは経験曲線という発想からもある程度正当化できる気がする。とにかく経験曲線を前に進めることが重要であって、そのためには初期で小難しいことでチンタラやっていては駄目で、とりあえず基本をテキパキ学ぶことで勢いをつけて、経験曲線を前に進めて。そうすることが、ゴールへの近道となっている気がする。

あえて基本のキまでさかのぼる勇気。
基本のキだけは漏らさないという態度。
そういったものが、まわりまわって、専門性への近道となっているという感覚。
そういった感覚を、いまは持っていて、日々の基本的動作にも応用している(ほんとかなぁ)。