留学先で最も楽しかった授業の一つであるネゴシエーション。ネゴの結果が成績に直結しているため、毎週毎週の同級生とのネゴシエーション演習はかなりシンドかったが、実に学ぶところの多い授業で、帰国後もっとも役に立っている感じがする。
このように自分は一時期みっちりとネゴシエーションのトレーニングを受けたので、実践力はさておき(さておくなよorz)、理屈はそこそこ理解しているつもりであり、日本に帰ってから散見される「その交渉術は、下手じゃないか?」というものがどうも気になってしまうのでメモ。
なお、交渉に関する定番本といえばGetting to Yesだが、それとは別に、交渉に求められる基本思想について概観されているこちらの教科書は本当に有益で、この発想を持っているだけで基本的に殆どの交渉を優位に進められる。
2013-01-24
2013-01-19
戦略サファリ:批判は小気味いいが、でもやっぱり違うのでは
最近読んだ「世界の経営学者はいま何を考えているのか」
に刺激を受けて、関連本と言える「戦略サファリ」
を読んでみた。
ミンツバーグについては、以前「MBAが会社を滅ぼす」を読んだり、各種インタビュー記事などを目にしたりしていたので、その芸風(?)は理解していたが、本書も彼の主張が貫かれており、「ああ、ミンツバーグ節だな」と思わずにはいられなかった。
で、MBAを終えてこれからまさにその学びをどう使ったものか模索している立場から、このあたりについて思うところをメモ。
ミンツバーグについては、以前「MBAが会社を滅ぼす」を読んだり、各種インタビュー記事などを目にしたりしていたので、その芸風(?)は理解していたが、本書も彼の主張が貫かれており、「ああ、ミンツバーグ節だな」と思わずにはいられなかった。
で、MBAを終えてこれからまさにその学びをどう使ったものか模索している立場から、このあたりについて思うところをメモ。
2013-01-18
2013-01-17
意思決定理論入門
意思決定理論入門(Link)
意思決定論の大家ギルボアがエントリーレベル向けに書いた教科書。文末に示す通りギルボアには意思決定に関する複数の教科書があるが、そのうちもっともわかりやすいもの。
この本を読むことで得られるSkill setについて概観してみた:
(追記)その後も意思決定に関して試行錯誤することが多かったので、この辺の議論を議論を自分なりに再整理してみた。そのリンクは以下の通り:
記事①
記事②
記事③
意思決定論の大家ギルボアがエントリーレベル向けに書いた教科書。文末に示す通りギルボアには意思決定に関する複数の教科書があるが、そのうちもっともわかりやすいもの。
この本を読むことで得られるSkill setについて概観してみた:
(追記)その後も意思決定に関して試行錯誤することが多かったので、この辺の議論を議論を自分なりに再整理してみた。そのリンクは以下の通り:
記事①
記事②
記事③
2013-01-16
Debt Capacity
借入能力についていろいろ。具体的には
・借入能力を決めるのは誰かについて検討する。
・借入能力を定める指標にはどのようなものがあるか
・そういった指標はどのように決まるか
2013-01-15
グラフカラーリングにおけるルール9つ (+5)
Databison経由で、チャートの色遣いに関する面白いコラムを見つけた。
画期的というほど目新しい情報ではないのだけれど、基礎がうまく整理されているように思われたので、その主要なメッセージだけメモしておく:
2013-01-14
2013-01-13
2013-01-12
EV/EBITDA再考
おそらく学校でバリュエーションを学ぶと、ほぼ間違いなく「Compsとしては、P/Eよりも、EV/EBITDAを使うのが良い」と言われると思う。色々理由はあって、
で、自分も実際にEV/EBITDAを愛用しているのだが、使いつつも疑問があるのでメモ。
・特別利益・特別損失による要因を排除できる(一時的要素)と、いくつかの要素を比較対象から除外することで、より精緻にApple-to-appleができるという点が挙げられる。
・固定資産やのれんの償却費など、支出を伴わない費用の影響を排除できる(会計的要素)
・金利負担による影響を排除できる(資本構成による要素)
で、自分も実際にEV/EBITDAを愛用しているのだが、使いつつも疑問があるのでメモ。
2013-01-11
ポストCAPMを狙うモデル達
CAPM
CAPM. 誰もがその限界を多かれ少なかれ理解しつつも、結局DCFの実務ではいまだにデファクトスタンダードとなっている(※)。CAPMで問題になることの一つが、
「ベータだけではリターンの動きを説明しきれないじゃないか」
「その結果、CAPMでは、真の資本コストを過小評価(過大評価)してしまうのではないか」という問題。その問題への回答となりうるモデルがいくつも提唱されているが、ここではその中で特に2つほど、実務に耐えそうなものを検証してみたい。なお、ベースとなる議論は、Arzac(2005)(→リンク)
※ デファクトスタンダードになっているかどうかという点については、Bruner et al. (1998)(→Link)とか参照
2013-01-10
買収時におけるのれんの取扱い
のれんについて、その会計・税務まわりに関するところのメモ。
<事例>
・A-Coが買収会社、T-Coが被買収会社。→このとき、会計上・税務上の取扱はどうなるだろうか?あるいは、結局のところ、のれんは損金計上できるのだろうか?
・T-Coは、資産が時価80、簿価40。負債はない。
・想定する取引は以下の通り2ステップ。
-ステップ1:A-Coは、T-Coを現金100で買収。
-ステップ2:その後A-Coは、T-Coを吸収合併。
・単純化のため、株式譲渡とか新株発行とかを一律に『買収』、合併とか分割とかを一律に『合併』と呼ぶ
2013-01-09
さらば、VLOOKUP関数
エクセルにあたり避けて通れないVLOOKUP関数だが、個人的には不満があった。
その不満というのは、
その不満というのは、
「左から右に検索するだけじゃなく、右から左にも検索したい。。」
というもの。
その問題について、ひとつ解決策を考えてみた...
その問題について、ひとつ解決策を考えてみた...
2013-01-07
ベータがゼロ・ベータが負であるということ
最近読んで面白かった本のひとつに、服部氏による『実践 M&Aマネジメント』
がある。
非常に面白いのだが、1点、「ネガティブベータの取扱」について、少し引っかかってしまった。
本稿ではその点について、少し書き散らしてみたい。
非常に面白いのだが、1点、「ネガティブベータの取扱」について、少し引っかかってしまった。
本稿ではその点について、少し書き散らしてみたい。
ベータがゼロであるということ・ベータが負になるということ
本書は、その辺のバリュエーション本がすっぽり手薄にしてしまっている実務面(交渉・税務・法務・会計まわり)をカバーしており面白い。
出版がやや古く改訂もなされていないので、会計制度変更や会社法施行に対応していないのが悔やまれるが、是非改訂が期待される。
ただ、ことバリュエーションというかファイナンスまわりの話については、色々と
「たしかに現場的なのかもしれないが、いくらなんでも理論的にサポートしきれなくないかしら?」
という議論が散見され、個人的にはかなりひっかかってしまった。今日はその中のひとつについて。
同書のバリュエーションの章でこんなことが書かれていた:
自分はこの言説、特にネガティブベータのところについて、「これほんと?」という疑念を強く持っている(確信を持てるほど自信はないのだけど。。).
現実を理論-しかもよりによってCAPMという「理論っぽい何か」-で否定するというアプローチは、自分としてはどうも腑に落ちない。
第二に、この議論が依拠しているCAPMも、まあ理論というほど理論でもない。
本書はCAPMを前提として議論しているが、CAPMが一種の神話みたいなものでありその正しさ(正しさの度合い)は眉唾、というか検証もムズイというか不可能というか(実績値で推定はできるが期待値は観測不可能)。
で、自分の次の疑問は、
「仮にCAPMが正しいと仮定したとしても、上記『ネガティブベータはCAPMの観点からサステナブルでない』という発想はおかしくないか?」というもの。
これについての自分の現時点での意見は以下の通り:
出版がやや古く改訂もなされていないので、会計制度変更や会社法施行に対応していないのが悔やまれるが、是非改訂が期待される。
ただ、ことバリュエーションというかファイナンスまわりの話については、色々と
「たしかに現場的なのかもしれないが、いくらなんでも理論的にサポートしきれなくないかしら?」
という議論が散見され、個人的にはかなりひっかかってしまった。今日はその中のひとつについて。
同書のバリュエーションの章でこんなことが書かれていた:
- ゼロベータはまだ「配当=国債クーポン」とすれば説明がつくが
- ベータが負の状態というのは、株主資本コストがリスクフリーレート以下ということであり、長期的に持続可能とは言えない
自分はこの言説、特にネガティブベータのところについて、「これほんと?」という疑念を強く持っている(確信を持てるほど自信はないのだけど。。).
2つの問題意識
まず第一に、現実問題ネガティブベータ銘柄は普通に存在する。現実を理論-しかもよりによってCAPMという「理論っぽい何か」-で否定するというアプローチは、自分としてはどうも腑に落ちない。
第二に、この議論が依拠しているCAPMも、まあ理論というほど理論でもない。
本書はCAPMを前提として議論しているが、CAPMが一種の神話みたいなものでありその正しさ(正しさの度合い)は眉唾、というか検証もムズイというか不可能というか(実績値で推定はできるが期待値は観測不可能)。
仮にCAPMが正しいとしても..
で、自分の次の疑問は、
「仮にCAPMが正しいと仮定したとしても、上記『ネガティブベータはCAPMの観点からサステナブルでない』という発想はおかしくないか?」というもの。
これについての自分の現時点での意見は以下の通り:
- CAPMが正しいと仮定するということは、市場リスク(Systematic risk)と非市場リスク(Idiosyncratic risk)のうち、非市場リスクは分散投資によりDiverse awayできると考えるということ
- であれば、「非市場リスクはたっぷりあるが市場リスク(=ベータ)は負」という証券があれば、そういった証券のCAPM worldにおけるリスク価格はベータ(<0)となる
- つまり、ベータがマイナスとなる証券は存在しうるし、そういった証券のリスクをCAPMに基づきリスクフリーレートより安く評価することも「CAPMが正しいと仮定するなら正当化せざるを得ない」
- ここでCAPMをいったん忘れるなら、そういったネガティブベータアセットはおそらく非市場リスクが相応にあるので、mean-varianceというレンズで見ればきっとリスクフリーレートよりハイリスクハイリターンのところにプロットされる
といった感じ。
実務上のインプリケーション
以上により、自分は、仮にベータがマイナスの銘柄があっても、CAPMを使うと決めたなら、機械的にリスクフリーレートより低い株主資本コストとしてしまって良いのだと考えている。
ただ、別の議論として、ベータを調整すること自体は有用と思うので、Blumeの方式に従いベータを少しだけ1に近づけるという調整はアリだと思っている。
2013-01-06
2013-01-05
数式が入ったセルの色を変えるマクロ
Macabucusで見つけたMacabucus Macroを試しにダウンロードしてみた。
http://macabacus.com/macros
(導入したのは無料のLite版)
http://macabacus.com/macros
(導入したのは無料のLite版)
2013-01-04
ブリッジグラフ (ウォーターフォールグラフ)
こんなグラフ。前期-当期間での損益増減分析とか、汎用性が高い。
下図では、前期利益100→数量減による減益▲50→価格上昇による増益+20→当期利益70という状況を示している。今日はこのつくり方について。
下図では、前期利益100→数量減による減益▲50→価格上昇による増益+20→当期利益70という状況を示している。今日はこのつくり方について。
2013-01-03
2013-01-02
グラフ作りの味方、Peltier Tech Blog
エクセルのグラフ作りにあたり、非常に役に立つページを見つけた:
主にエクセルについて、
- 極力VBAを使わずに複雑なグラフを作ろうとする
- でも奥の手としてVBAも使う
- カラーリング等、見せ方についても細かい実例・Tipsが豊富
- 一部の複雑なグラフ(マリメッコ等)については、作り方も載っているが、作成のためのお手製アドオンも販売している
というサイト。自分が気にいったネタをぱっと列挙すると...
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