2012-08-10

ネゴシエーション再訪

以下、ネゴシエーションについて自分の思っていること。

・ネゴシエーションの本質は「ネゴらないこと」であり、いかにネゴ手前で有利な状況を作るか

・戦わずして勝つためには、競争戦略の発想が重要。相手方を常に複数キープしつつ、自分の希少性を高めるのが鉄則。

・ネゴの鍵はBATNA。「ここから先は一歩も引けない」というポイントをいかに高くもつことができるか。多くの場合、人は自分のBATNAを過小評価しがち(例:実はブレークしても問題ないのに、ブレークだけは回避しなくてはならないと勝手に自分を追い込み、不必要な妥協をしてしまう)。BATNAを改善するヒントは①相手方を複数もつ②柔軟な発想。

・「取っ組み合ったあとにいかに相手を押し切るか」というのは、交渉論ではなくてただのケンカ論。その場の口先八寸、嘘、ハッタリ、脅し、ながめすかし、暴力、そういったものは交渉のテクニックとは言わない(多かれ少なかれ大事だが、こういったものはあくまでサブであり、これらをメインテクニックと思うのは陥りがちな罠の一丁目一番地)

・ゼロサムゲームになってしまったら、やるべくは、「落としどころである『somewhere between my BATNA and your BATNA』」。両者が「取っ組み合いになってしまった以上、0や100は無理だから、50周辺の良い落としどころを探そう」という発想で行う交渉は有益だが、いずれか一方でも「よーし、気合入れて100取りに行くぞ」とか思ってしまうと交渉には無駄な時間やコストがかかる。ベストを追及するのはネゴ手前の戦略レベル・舞台設定の段階まで。ネゴに入ったら、そこからやるべきことは「落としどころの発見」。