2018-12-29

Do and Don't (for Manager) 2018年版

自分の観察や失敗経験をもとに蓄積した自己教訓集。
年末の棚卸的に、書き残してみたい。

マネージャーとしての観点とプレーヤーとしての観点があるが、本稿ではマネージャーとしての観点について。

プレーヤー版はこちら→リンク

2018-12-28

Do and Don't (for Player) 2018年版

自分の観察や失敗経験をもとに蓄積した自己教訓集。
年末の棚卸的に、書き残してみたい。

マネージャーとしての観点とプレーヤーとしての観点があるが、本稿ではプレーヤーとしての観点について。

マネージャー版はこちら→リンク

2018-12-22

実行がすべて (Ideas are worthless, implementation is everything)

2018年も間もなく終わり。今年も仕事柄、社内外・自他・上司後輩問わず、様々なトラブルの現場に居合わせる機会に恵まれた。

そこでの関係者の苦労やそこからの巻き返しを見ることで色々な反省や学びがあったので、それら経験から「仕事がうまくいかないパターン」みたいなものを、少し整理してみたい。

いくつかある「トラブるパターン」の中から、今日は実行軽視症候群について少し考察してみたい。


2018-12-09

企業変革の実務:工夫しながら読めばパワフルな変革指南書に

今読んでいる、小森氏による「企業変革の実務(リンク)」、これがなかなか面白い。

著者は、ユニゾンキャピタルの投資先企業にプロ経営者として送り込まれ、ターンアラウンドマネージャーとして企業変革を実際に担った人物。

著者がマッキンゼー出身ということもあってか、非常にロジカルに、企業変革を遂行するにあたって必要となるポイントやコツについて、実務的な観点から概観している。
※「ターンアラウンド」と書くと、どうしても事業再生というニュアンスがつきまとってしまい、「ウチは業績順調だから、ターンアラウンドの用事はありません」と、低迷していない企業の人に無縁の印象を与えてしまう。
しかし、氏がやっていることは狭義の事業再生(リストラ、資産売却等)ではなく、組織の動き方を変えるまさに企業変革であり、非低迷企業にも応用できるし、参照する価値があるもの。 
そういう意味では、アリックスとかもそうなんだけど、「ターンアラウンドマネージャー」という言葉は、やや言葉が独り歩きしてしまうところがあって勿体ないのかもしれない。
本書の内容は、大雑把に要約すると、

①変革のための体制構築(マネジメントチーム構成等、変革のための土台作り)
変革それ自体
③変革の浸透、自走化(ある程度放っておいても断続的に改善が進む仕組・風土作り)

とやるべきことを3つに分け、それぞれについて、「着任前にやりたいこと」「着任後当初にやっておきたいこと」・・・と時系列で実務的ポイントについて解説されている。

以下、備忘まで印象に残ったポイントをメモしておきたい。

2018-12-08

意思決定すること自体がコストである

最近感じることとして、「決めることそれ自体が、心理的には結構な負担である」と言うコンセプトが、意外と見落とされがちというか、きちんと意思決定の現場で踏まえられていない気がするので、その注意点について備忘まで残しておきたい。


2018-11-24

「中央銀行」から学ぶ、意思決定者との付き合い方のコツ

まとまった休暇を確保できたので、積読状態だった白川前総裁の回顧録(?)を読んでいる。

まずは何より、日本の金融・経済を理解するモノサシを得るという点において非常に有用(分厚いけど、これを読んで初めて「ああ、あれってこういうことだったのか」と腑に落ちるポイント数多し)。

前回の教科書と異なり
  • 事例ベースなので、ケーススタディ的に読めて、前回の教科書より頭に入りやすい
      
  • 一般論というよりも白川氏の具体的なポジションを取った意見が示されているので、良くも悪くも印象に残りやすい
      
  • 実務レベルの話が細かく記されており、面白い
     
といった点において、数段面白い。メルカリで教科書を売ってしまったことを後悔してしまう。

本書を経済書として批評、日本経済とは別のところで、このブログを通底する「意思決定」という観点、特に「意思決定者との付き合い方」という観点において興味深い点があったので備忘まで残しておきたい。

2018-11-17

バブルに関する乱暴な仮説

ここ最近、仕事で従事する業界のあちこちから「いまってバブル」だよねという声が聞こえる。他方で、その声に甘える形で投資を抑制するのは楽なのだが、果たしてそれで寝転がっていても稼げないというジレンマにも直面しており、どのような判断がバランスの取れた判断なのか、非常に悩ましい。

そんな中で、手に取った「中央銀行」が、業界や環境は全く異なるものの、たまたまバブルについて実に深い考察をしてくれていたので、頭の整理として、本書のフレームワークを拝借しつつ、

・いまってバブルなの?
・リスクをどの程度見ておけばいいか?

と言うあたりについて書きなぐっておきたい。

2018-11-02

マーケティング思考とカスタマーファースト

先日読んだ、元USJの森岡氏の書籍が面白かったので、関連して思っていることを備忘まで書いてみる。

2018-11-01

ボトルネックベース意思決定と実務

ボトルネック。製造やサービスの現場だけではなく、様々な意思決定の現場でもしばしば登場する言葉だと思う。ビジネス用語として、ほとんど空気のように定着しているとさえ思う。

あるいはTOC(Theory of Constraint:制約理論)とか、「ザ・ゴール」とか、ウィーケストリンクとか、レバレッジポイントとか、色々な言い方があるが、基本コンセプトはいずれも同じで

「一番弱いところ(ボトルネック/ウィーケストリンク/制約)を見つけて、それを最優先で解決しよう」

というもの。

そうやって聞くと当たり前過ぎるのだが、仕事で見ていても、ボトルネックアプローチは「わかっちゃいるが、できない」の典型例なのではないかというくらい、できている人は多くないように思う。

そこで本稿では、「ボトルネック思考を理解するにもかかわらず実行できない構造」のようなものを検討し、少しでも理屈と現実を近づけることができないか考えてみたい。


2018-10-27

超独断・本の選び方

長年にわたる投資と失敗の歴史を経て、本の選び方について少しスタイルのようなものができてきたので、一度備忘まで整理しておきたい。

2018-10-21

通勤カバンの生地

先日、Timbuk2のメッセンジャーを新調した記事を書いたが、その際にあれこれとカバンの生地について勉強したので、備忘まで記録しておきたい。


2018-10-20

(独断レビュー)TIMBUK2 Custom Fold Messenger

ずっと愛用していたメッセンジャーバッグを新調した。

留学中の2011年頃に、同級生が使っているのを見て気に入ってTimbuk2のメッセンジャーをカスタムして購入し、その後学校でも使い倒し、帰国後も使い倒し、最近では通勤でも使い倒していた。

外側は引き続き何の問題もなく頑丈なのだが、内側のライニングが弱く、ジッパーの取っ手が当たる部分が裂けてしまい、最近「そろそろ限界かな・・・」と感じていた。

そんな中で、ここしばらくずっと研究していたTimbuk2 Custom Fold Messengerを意を決して購入。それが届いたので少し記録しておきたい。


2018-10-07

「そんなつもりじゃなかった」症候群

マネージャーとかリーダーとかの立場において、「これを言ってしまうと恥ずかしい言葉」の代表例として「そんなつもりじゃなかった」という言葉があるように思っている。

以下、なぜその言葉がイマイチだと自分が考えているのか、少し書いてみたい。


2018-10-06

反共感論:情に棹させば…

反共感論

イエール大学の心理学者が、「共感」という一見すると殆ど絶対的に善とされがちなコンセプトについて批判的検討を行う書籍。面白かったので少し備忘を残しておく。

一義的には心理学の書籍かもしれないが、意思決定論のサブテキスト的な位置づけで使える。また、おそらく元はエッセイか何かであるのか、非常に読みやすい。


2018-09-10

事例ベース意思決定

先日のプラトンの洞窟の比喩について考えていたら、図らずも本棚にあった松井『規範と慣習の経済学』やギルボア・シュマイドラー『決め方の化学 事例ベース意思決定理論』にたどり着いたので、今日はこれら(特に後者)で紹介されている事例ベース意思決定理論を自分なりに整理してみたい。以下は全て自分の勝手解釈なので、気になる点があれば適宜原典にあたってほしい。

規範と慣習の経済学→リンク

事例ベース意思決定理論→リンク


2018-09-09

頭の良い人こそ「プラトンの洞窟」に囚われる

最近感じている
「社内政治って、八割がた避けられるんじゃないの」
「政治論に落とし込む人って、現実主義者というより、単に知識不足なんじゃないの」
という問題意識について、もしかするとプラトンの洞窟の比喩を使うとうまく説明できる気がしたので試してみたい。

2018-09-01

なぜ資本コストを意識せねばならないのか?

最近ブームなのか、資本コストについて聞かれることが多い。
そこで、半分自分の頭の整理がてら、資本コストについて、できるだけ手触り感をもった説明にトライしてみる。


2018-08-27

何の話をしているのか、明確に!(状況モデルの構築)

前回のポストに引き続き、「教養としての認知科学」を読んで得た気付きについて。

会話していて、
  • 説明していても、相手に自分の説明を理解してもらうのに苦労する
  • 外国人との会話で、単語や文法はある程度身についているはずなのに、それでもうまく理解できない  
といった悩みを感じることはないだろうか。

これは認知科学における「理解」の仕方に関する問題であり、そのあたりについて書き散らしてみたい。


2018-08-26

一夜漬けはむしろ成績を下げる(短期記憶と長期記憶)


試験前の一夜漬け。人によってはよく経験しているかもしれない。

一般的には一夜漬けのデメリットとして指摘されるのは「徹夜するから疲労で集中力が低下する」という点だと思う。

だが、先日手に取ってパラパラと読んでみた教養としての認知科学というテキストを読んで、一夜漬けの本当の(あるいは、もう一つの)デメリットを理解するに至ったので、

「一夜漬けのデメリットはなにか?」と言う点について、「短期記憶と長期記憶」という観点で、少し備忘に残しておきたい。


2018-08-12

覚悟に逃げない

先日手に取った「決断という技術」という本がなかなか面白く、ニヤニヤしながら読んでしまった。

海外経験のある3人(柳川氏、水野氏、為末氏)が「ここがヘンだよ日本人」的に日本的な意思決定のクセを一刀両断にしていく本だ。

学術本ではないので読みやすい。たとえば、日本人は

・覚悟しすぎ
・割り切りを嫌がりすぎ
・捨てられない
・比較考量できない

等々。

個人的には色々突っ込みたいところもあるが(やや批判が浅く、実戦で使うためには、もう少し読者は自分の頭で考え抜く必要があると思う)、まあでも、非常に良い本と思った。



ところで、覚悟って一般的には良い意味で使われているが、何がどうダメか、スパっと言えるだろうか?

本稿では、覚悟の何がダメで、何はいいのかについて、少し考えてみたい。

2018-08-05

合理性再考(3)・・・「合理的」再考

「いや、あなたの言う合理的って、そんなに合理的でもないですよ」シリーズの第3弾。

第1弾の「実務的」では
  • 実務的世界では、多かれ少なかれ情報を絞ることが許容されるので、どだい、限定合理的になる。
  • 従って、実務において「俺は合理的だ」とか「あいつは合理的でない」というのは、そもそものところで合理的でないのではないか
ということを述べた。

第2弾の「感情的」では
  • 相手が感情的にふるまったときに、「非合理的だ」の言い換えとして「あいつは感情的だ」と非難する人が多い
  • しかし、合理的戦略として感情的にふるまう人も多いし、突発的激情的な感情ですら実は合理的であることがあるので、「感情的」と「非合理的」は分けて考えるべきではないか
と述べた。

今回は、しめくくりとして、合理性それ自体について、少し考察してみたい。

2018-08-04

合理性再考(2)・・・「感情的」再考


「いや、あなたの言う合理的って、そんなに合理的でもないですよ」シリーズの第二弾。

今回は、相手との会話がうまくいかなかったときに「俺は論理的に話そうと試みたのに、あいつは感情的だったので会話にならなかった」というときの「感情的」について。


2018-08-03

合理性再考(1)・・・「実務的」再考

仕事の現場で「合理的」と言う言葉をよく聞く。

しかし、たいていの場合、「合理的って言うけど、それってホントに合理的なの?」という疑問を抱く。

そこで、本稿から3回に分けて「合理的って何?」という点について書き散らしてみたい。

1回目ではまず、「合理的」の関連ワードたる「実務的」という言葉の意味合いや使い方について。



2018-07-21

家購入定点観測(1年目)

昨年の今頃から急遽検討を開始して、昨年から住み始めた家。
そろそろ1年経つので、定点観測的にコメントを残しておきたい。

2018-06-09

ガラス細工を作らない

チームとか、複数部署をまたいでとか、何かしら複数人で仕事するときのコツとして

「ガラス細工を作らない」

「Robustなアウトプットを作る」

という意識をすることが有用なことがある。

ガラス細工とは何か?Robustとはどのようなものか?少し書き残してみたい。

2018-05-13

交渉において絶対やってはいけないこと:自己満足症候群

立場柄、交渉の当事者になったり、あるいは他人同士の交渉を目の当たりにすることが多い。

そんな中で、

「自己満足を交渉のゴールにしてしまう」

「問題の解決そっちのけで、満足して気持ちよくなることを無意識に追及してしまう」

という自己満足症候群は、数あるクセのなかでも一番まずい悪癖なのではないかと思っている。


  • 自己満足症候群とは何だろうか?
  • それは、どうしてまずいのだろうか?


今回は、その辺について書き散らしてみる。


2018-05-12

インド式?かみ合わない部下への対処法

年を取って、「自らやる」と「部下にやってもらう」のバランスが変わりつつある。
具体的には、どんどん「部下にやってもらう」の比重が増えている。

そうすると、どうしても、「部下が、思った通りに動いてくれない」ということが増えて、ついつい一喜一憂してしまう。

  • 「この分析も入れておいてくれ」とお願いしたのに、なぜか反映されないままアウトプットが上がってくる
  • 上がってくるスピードが、期待・締切対比で遅い
  • 「はい、わかりました」というのに、出てくるアウトプットが不十分
  • 「どうしてその作業をやらなければならないのでしょうか」と、そもそも指示に納得してもらえない
等々。

イライラしてしまうこともあるのだが、そんなとき、留学時代、親しくしつつも頻繁に小競り合いをしていたインド人同級生のT君の発想法を拝借して乗り切っている。

本稿では、苛立つ将来の自分のために、備忘までインド人同級生から学んだその発想法を記録しておきたい。

2018-02-10

仕事における過学習リスク

仕事では、実際に経験したことを今後の意思決定の肥やしにすることが非常に重要になる。「反省から学ぶ」とか「PDCA」とか、そういった話だ。

なので、まずは「やってみて、その結果から学ぶ」という経験アプローチのが仕事の第一ステップとなることは殆ど間違いないだろう。

他方で、そういった経験アプローチは、実は万能ではない。

言い換えると、経験アプローチには留意点があって、その留意点を自覚できていないと、経験から学び「過ぎ」になり、逆にパフォーマンスが下がりうる

それを一言で言うと「過学習」「過剰適合」なのだが、本稿ではそのことについて書き散らしてみたい。

統計っぽく言ったサマリーは、回帰分析でパラメーターを増やすことのリスクは、日常の意思決定にも通じるものがあるという話。

なお、関連記事はこちら →リンク



2018-01-21

SHOE DOGは最高のMBA教科書(2)

前のポストに引き続き、ナイキ創業者による自伝であるSHOE DOG(リンク)がいかに経営書として秀逸か書いてみたい。

その1ではファイナンスの側面について述べたので、本ポストではそれ以外の側面について述べる。

前半(その1)はこちら→リンク

2018-01-20

SHOE DOGは最高のMBA教科書(1)

この週末、気まぐれに本屋でナイキ創業者による自伝であるSHOE DOG(リンク)を読んでみた。

普段はできるだけ本は衝動買いしないようにしているのだが、少し立ち読みしただけであっというまに引き込まれてしまい、週末すっかりこの本に時間を奪われてしまった。

まずは創業者Knight氏の情熱やここまでの挑戦に感情が揺さぶられるのだが、その後一歩引いて本を読み返してみると、この本がビジネスの本としてあまりに役に立つことに驚く。ファイナンス、マーケティング、サプライチェーンマネジメント、国際ビジネス、組織運営・リーダーシップ・イノベーションマネジメント等・・・MBAの全科目で本書を事前課題図書にしてもいいくらいだと思う。

一般的な書評は他にたくさん出るだろうから、ここでは本書がどのような観点でビジネスの役に立つのかという観点で殴り書きしてみたい。

本ポストは前半で、後半はこちら→リンク


2018-01-13

ICOって本当に盛り上がるのだろうか

年末年始の余裕時間に、遅まきながら仮想通貨について少し勉強してみた。

仮想通貨一般論とかいったん理解できたし、ビットコインが上がるか下がるかといった話は「全然わからない」ということだけがよくわかったのだが、一連の話題の中で、ICOについてはかなり面白かったので、自分なりに整理してみた。

結論としては

  1. 実質的に有価証券であり、本来規制に服すべき『脱法的資金調達としてのICO』が早晩ちゃんと規制されるようになると、ICOってそこまではやらないのではないか
  2. 他方で、従来型の資金調達に関し、決済や契約等のプロセスをブロックチェーン技術で簡素化・低コスト化する動きは、骨太な変化として期待できるのではないか
と感じている。以下その詳細。